流動性プール:手数料、保有構成、ダイバージェンス損失
手数料収入を利益とみなす前に、自動化プールによって保有資産の構成がどう変わるかを計算します。

流動性提供とは、変化する在庫を持つこと
自動マーケットメーカーは準備金を保有し、一定の規則に従って交換を可能にします。基本的な定積モデルでは、計算を簡単にするため手数料を無視すると、準備金数量xとyはx × y = kを満たします。Uniswapの文書は、この初期のモデルと集中流動性の設計を区別しています。流動性提供者は、トレーダーが一方の資産を他方に交換するにつれて変化する在庫を供給します。
したがって、このポジションは単に2つのトークンで利息を稼ぐものではありません。一方の資産が他方に対して値上がりすると、裁定取引がプールの在庫を調整します。提供者は、変更せずにウォレットで保有した場合より、値上がりした資産が少なく、もう一方の資産が多くなります。手数料収入は、この在庫効果と比較して評価しなければなりません。
手数料なしの基準を計算する
プールが当初、トークンAを10単位とドル建てトークンを1,000単位保有するとします。トークンAは$100なので、プールの価値は$2,000、kは10,000です。外部価格が$200に倍増し、裁定取引によってプール価格が一致すると、準備金はy ÷ x = 200とx × y = 10,000を満たします。解くと、Aは約7.071単位、ドル建てトークンは1,414.214単位になります。
このときプールの価値は約$2,828.43です。元の資産を単純に保有していれば$3,000になります。差額$171.57は保有基準の約5.72%です。プールのドル価値は増えていますが、保有には劣後しました。基準に対する損失と、絶対額でのマイナスリターンは同じではありません。
ベンチマークを消さずに手数料を加える
取引手数料は、その相対損失の一部または全部を補える場合がありますが、金額は取引量、手数料ルール、提供者の持分、価格経路に左右されます。手数料率を提示するだけでは純リターンは分かりません。取引量が多いプールも、より情報を持つトレーダーが古い相対価格を利用して取引すると、逆選択にさらされる可能性があります。
練習用の帳簿では、開始資産、終了資産、受取手数料、インセンティブ、ガス代、管理費用を分けます。すべてを同じ終了時点の価格で評価してください。手数料が準備資産に留保される場合、二重に加算しないでください。報酬が未請求なら、時価評価額と売却で実現した現金を区別します。立派なダッシュボードの年率表示より、一貫した会計が重要です。
集中した範囲はエクスポージャーを変える
集中流動性システムでは、選んだ価格帯で資金を運用できます。Uniswap v3のホワイトペーパーは、あらゆる価格に均一に配置するのではなく、限定した範囲に流動性を置く仕組みを説明しています。これは資本効率を高める一方、在庫の反応をより集中させます。該当するプールの仕組みでは、価格が有効範囲外になると、ポジションは2資産の片方だけになり、範囲内へ価格が戻るまで取引手数料を稼げなくなることがあります。
狭い範囲が自動的に優れているわけではありません。同じ仮想価格経路で、狭い範囲と広い範囲を、再配置の費用と時期も含めて比較します。頻繁な再設定は取引費用を生み、在庫変化を確定させることがあります。過去の価格で瞬時に範囲を移すバックテストは、戦略を実行するうえでの主な難しさを省いているかもしれません。
成功を測る前に目的を定義する
提供者は、両資産の保有、建値資産のみの保有、または目標リバランス方針と成果を比較できます。これらの基準は異なる問いに答えます。結果を見る前に一つを選び、他の基準は背景情報として残してください。そうしなければ、事後に比較対象を変えるだけで、損失を生む戦略が成功しているように見せられてしまいます。
トークンの価値毀損、プールのコントラクト障害、退出不能もストレステストします。ダイバージェンス・ロスの計算は、資産と市場が正常に機能する前提であり、完全なリスク見積もりではありません。計算上のベンチマーク未達が小さくても、元本損失の上限にはなりません。ここでの例は、学習のために仕組みを切り分けたもので、特定のプールへの流動性提供の推奨は意図的に含めていません。
2つ目の練習用経路として、途中で大きく変動した後、元の価格に戻る場合を考えます。受動的な保有の結果と、集中流動性の範囲を何度も動かした提供者の結果を比較します。取引手数料、在庫の組替え、取引費用を含めると、開始価格と終了価格が同じでも、結果が同じとは限りません。したがって経路依存性は、終点リターンのチャートに隠さず、調査設計で明示するべきです。
最初の資産をそのまま保有した場合と比べる
期末に、元のトークンを持ち続けていれば18,200ユーロだったとします。流動性ポジションの資産価値は17,650、獲得手数料は620、総費用は90です。差し引き18,180で、手数料収入があっても単純保有より20ユーロ少なくなります。
同じ前提なら、単純保有に並ぶには640ユーロの手数料収入が必要でした。この計算は将来予測ではなく、比較基準を明確にするものです。手数料が入ったことと、代替案より良い総合成績だったことは同じではありません。
手数料や報酬がポジションの評価額へすでに含まれているかを明記します。二重計上すると、損失が利益に見える場合があります。全項目の評価時点と通貨をそろえてください。
価格帯を外れると資産の構成も変わる
集中流動性のポジションは、値動きの中で二種類のトークンを一定比率で持ち続けるものではありません。価格が範囲の端へ進むと、一方の資産へ偏る場合があります。範囲外では、通常、その価格帯の取引に流動性を提供していません。
下限、中央、上限で保有構成がどうなり得るかを描きます。それぞれの地点で、手数料の約束がなくてもその資産を持ちたいでしょうか。この問いで、見かけの利回りの裏にある価格への賭けが明確になります。
範囲の再設定は新しい経済判断です。トークン交換、ネットワーク手数料、スリッページを伴う可能性があります。頻繁に調整するほど有利とは限りません。実際の調整費用と比較用ポートフォリオの成績を一緒に測ります。